【作り手を訪ねました】ガラス作家 平田友美さん

作り手を訪ねました  vol.1 ガラス作家 平田友美

「Caerula」は日本の美しい手仕事をお届けしたい、
というコンセプトから始まったオンラインショップです。

美しい手仕事、つまり「Caerula」の商品には
必ず作り手さんという存在があります。

作り手さんとよばれる方たちは
これまで、どんなことをしてきて
いま、どんな思いでものづくりをしていて
これから何をしたいと思っているんだろう。

そんな気持ちで「Caerula」スタッフが
作り手さんにインタビューした内容をお届けします。

香川県は綾歌郡綾川町。
のどかな雰囲気の景色のなか、車を走らせると
田畑の緑に映える、真っ青な壁の建物が見えてきます。

そこはガラス工房「グラスタイム」
ガラス作家 平田友美さんの活動拠点です。

沿道には季節ごとの草花が咲き、近くには田んぼも麦畑もため池もある、
空気のきれいな気持ちのよい場所。

グラスタイム 平田友美

グラスタイム 平田友美

工房のオーナーは、ご夫婦で人気ガラス作家の
田井将博さんと金子まゆみさん。
工房に併設された、ギャラリーショップもあります。

平田友美さんはこの「グラスタイム」で制作活動をしながら
週末を中心に、ワークショップやガラス体験教室を担当。
いわば「グラスタイム」の顔的、存在です。

こちらのコンテンツ【作り手を訪ねました】
第一回は、ガラス作家 平田友美さんにお話を伺いました。

グラスタイム 平田友美

- ガラスを始めたきっかけを教えてください。

子供の頃から、絵を描くのが大好きだったので
高校は迷わず絵の勉強ができるところを選びました。
そこで、絵の上手な人は世の中にいっぱいいることに気づいて(笑)
絵だけでは食べていけないと思い、卒業後は就職するつもりでいました。
 
そんなある日、進路相談のため職員室に行ったら
先生の机にガラスのお皿が置いてあったんです。

それは、倉敷芸術科学大学に進学した卒業生からの先生への贈り物でした。
『あいつが持ってきてくれたんだよー』とうれしそうに見せてくれる先生。
その作品を見て、ガラスって自分で作れるんやー!!と思ったんです。
それが、自分のなかでの、最初のガラスとの出会いでした。
 

- 絵のさきにガラスがあったんですね。

がんばって推薦をもらい、倉敷芸術科学大学に進学しました。
本当にいろいろな授業があった中でも
ガラスの授業は最初からおもしろすぎて、やっぱりこれだ!と確信しました。
 
大学2年の頃だったと思うんですが、初めてリューター(※)を使いました。
ガラスにサインを書くための技術として学んだのですが
これで絵を描けないかなぁと思いつき、
教えられたわけではないけど、自分で試してみたら描けました!

※電動切削工具、ハンドグラインダーのこと。ガラス表面を削ることができる。

- ガラスから、ふたたび絵に戻った!

今とは絵の雰囲気や緻密さがぜんぜん違いますが、
確かにその頃から、ガラスに描くことを始めていましたね。
絵を描くのはやはり好きなので。

ただ大学では、ガラスという素材と向き合うことを徹底して教えられました。
ただ絵を描きたいなら、キャンバスに描けばいい。
どうしてガラスでないといけないのか、ということをずっと考えていました。
 

- 大学卒業後はどういった道に?

県外のガラス工房にインストラクターとして就職しました。
最初は、言われたことをこなすので精一杯、何も考えずにひたすら作る日々。
イマジネーションは完全オフ(笑)

- それは大変な毎日だったのでは?

相手の要望を理解してアシスタントすることや
同じものをたくさん作ることの難しさも知りました。
それを経験させてもらったからこそ得られたことがあって、
今は何でもできるし、どこにでも行けるという自信もつきましたね。
 
自分を成長させてくれた、自分にとって本当に必要な時間でした。
あの頃を、闇の時期って私は呼んでますが(笑) 
それがなかったら今の自分はないと思っています!

- そんなにハードでも続けられたのはどうしてですか?

やると決めたら進むことしかできない性格なので
とにかくちゃんと仕事ができるようになりたかったんです。
それに5年半もかかってしまいました

続けられたのは、たくさんの人に助けられたから。
続けられた理由は、それだけかもしれない。
今でもお手紙のやり取りをしたり、イベントに来て頂いたりと
お付き合いのある方もいます。本当に感謝しています!

グラスタイム 平田友美

グラスタイム 平田友美

- グラスタイムに在籍することになった経緯は?

以前の工房を退職した後、前から知り合いだった田井さんに
お手伝いできることがあれば言ってくださいと、年賀状を出したんです。
すると、すぐに電話がありました!(笑)
田井さんに相談すると、
ここで作家として活動していけばいい、と言ってくれました。

- 平田さんが思う、ガラスの魅力って何ですか?

この前、漆作家の方に言われたんです。
『漆にはできないけど、
 ガラスは光を見せることができるからおもしろいね』と。

ガラスで作ることの意味は、それを学び始めた大学時代から、
就職してからも、そしてもちろん今も、ずっと考えています。
どうしてこのカタチ、この用途で、なんでガラスなのかと。

- ガラスの意味を探し続ける中で作品が生まれる?

このランプシェードは
ガラスであることの意味を少しは表現できたかなと、
初めて思えた作品なんです。

ガラスのカタチ、描く模様、その工程、
照明を入れたときの光の見え方、そういったこと、全部がつながった感じ。

このランプシェードのシリーズは【Birth】と名付けました。

自分の作品って何だろうって何年も悩んで
いろんな方にたくさんのことを教えてもらって
ここグラスタイムにきて
田井さんや金子さんからも影響を受けて
そうしてやっとやっと誕生した作品だからです
 
グラスタイム 平田友美

- これから取り組んでいきたいことはありますか?

来年は今まで以上に、作家としての活動に集中したいと思っています。
個展やイベントなど、自分らしい作品を発表していきたいと。

ずっとずっと悩んできたし、これからも探していくことだけど
進んでいける道は少し見えてきたような気がします。
 
———-

*取材場所
グラスタイム
香川県綾歌郡綾川町陶5590-5
tel・fax 087-876-3612 
 
*2014年12月に取材
*写真撮影:林 直樹

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